排出量取引とは?

地球は年間31億トンの二酸化炭素を吸収できますが、人間は72億トンを排出しています。その排出量を売買する仕組みが排出量取引です。

  

外国で導入済みの環境税

世界的に導入されている環境税

環境税は地球温暖化の原因ともなる二酸化炭素などの化石燃料の排出量に応じて、企業や家庭から税金を徴収するものです。

炭素税も環境税の一種でありながら、環境税そのものが炭素税を指すこともあります。EU諸国などはすでに炭素税を導入している国は多くあり、炭素税先進国とも呼べます。

例えば、フィンランドでは1990年に世界で初めて炭素税として課税を始め、一般財源として活用しています。1990年にはオランダで一般燃料税として課税が始まり、1996年にはエネルギー規制税の2種類の炭素税が導入されています。

1991年にはノルウェーとスウェーデン、1992年にはデンマークで炭素税として、環境税が導入されています。

どの国も課税するのが目的ではなく、二酸化炭素の排出量を削減することが目的で、税収は一般財源として使われています。諸外国に中には炭素税を導入すると同時に、所得税などの減税を行っている国もあります。

1990年後半になるとイタリアやドイツ、イギリスなどでも温室効果ガスを削減させるための税の導入が行われています。

日本でも炭素税の導入に向けて検討が行われていますが、既存の税金の使途自体に不明点な点がたくさんあるために、新たな課税には世論の抵抗を避けられません。

国民の不信感が強く、さらに企業の抵抗が強いといったように、導入するための問題が山積みになっています。

炭素税の導入を検討し、2007年には導入をしたいと考えていたニュージーランドでは、石油価格の高騰と課税を同時に行うと国民の負担が大きくなってしまうので、取りやめることを発表しました。

欧州諸国のエネルギー税制の対象

環境先進国である欧州諸国では排出量取引は実現していないものの、炭素税やエネルギー税制、燃料規制が進んでいます。

フィンランドで初めて導入された炭素税は、既存のエネルギー税を改組したものでした。1994年には炭素含有量とエネルギー量を基準とした課税方法になり、1997年には炭素含有量のみが課税対象となりました。

1991年に炭素税を導入したノルウェーでは、元々あった燃料税に上乗せする形で導入されましたが、その課税では炭素含有量には比例していませんでした。

1992年になると石炭にも課税対象が拡大されましたが、1999年に燃料税から炭素税が独立した税目になり、2003年には課税対象から石炭が外されています。

スウェーデンでは1991年に炭素税を導入し、今まであった燃料税を引き下げました。デンマークでも1992年に炭素税が導入され、燃料税が引き下げられています。

1988年にオランダで一般燃料課徴金の導入が始まり、1990年に炭素含有量に応じた課税にし税率が引き上げられました。1992年に一般燃料税が導入され、2004年には燃料税、燃料規制税と名前を変えて、税の徴収が行われています。

ドイツでは1999年に電気税が導入され、イタリアでは1999年に鉱油税が改正され、炭素含有量に応じた課税方法となりました。フランスでは2007年に石炭税が導入され、電力換算によるエネルギー量に応じた課税がなされています。

国別の炭素税率と課税目的

世界で初めて炭素税を導入したフィンランドでは、ガソリンや軽油、重油などの化石燃料が課税対象となっています。フィンランドにおける炭素税の税率は少しずつ引き上げられ、1997年には炭素換算1,000kg当たり260フィンランドマルカ(約6,500円)の税金がかかります。

また、電気からも税を取ることになりました。炭素税は燃料中の炭素含有率に基づき計算されるものですので、電力消費に関してはエネルギー税が導入されています。

同時期に炭素税が導入されたオランダですが、先進国の中では最も積極的に地球温暖化対策に取り組んでいる国で、従来の環境税の一部として炭素税が導入されました。

また、ガソリンや重油、天然ガスや石炭などの化石燃料全般が課税対象ですが、炭素税の他に規制税もあります。規制税は一般家庭などの消費者の電力消費や、暖房に使われている天然ガスなどを炭素税の追加的な税として導入しました。

ノルウェーの炭素税も他の国と少し内容が異なります。ガソリンや重油、天然ガス、オフショアーで燃焼されるガスなどが課税対象となっています。

税率は各燃料ごとに異なり、炭素換算1,000kg当たり、676ノルウェークローネ(約1万2,800円)から毎年上昇し、1997年には1,350クローネ(約2万5,000円)になっています。

課税目的は二酸化炭素の排出量削減のためのインセンティブ効果で、税収は一般財源にあてられ、所得税の財源に充当されています。

スウェーデンは燃料に対する炭素税とエネルギー消費に対する付加価値税を導入しました。課税対象はガソリンや軽油、天然ガスなどで、税率は二酸化炭素1,000kg当たり380クローネ(約2万2,500円)です。

スウェーデンも他国と同じく、二酸化炭素の排出量削減のために課税を行っています。1992年に炭素税を導入したデンマークは、軽油や重油、ディーゼル、石炭などが課税対象となっています。

税率は二酸化炭素1,000kg当たり100デンマーククローネ(約7,000円)です。炭素税、一般燃料税、エネルギー税、電気税、鉱油税など形は変わっていきますが、全て地球の未来のことを考えた環境税なります。


次の記事     炭素税で経済が弱くなる
前の記事     自動車の排ガスに炭素税