排出量取引とは?

地球は年間31億トンの二酸化炭素を吸収できますが、人間は72億トンを排出しています。その排出量を売買する仕組みが排出量取引です。

  

排出量取引の目的と効果

実績のある排出量取引

温室効果ガスの削減のための排出量取引は、国や企業間で排出量を売買することです。その起源は1990年代にアメリカ合衆国で硫黄酸化物の排出量取引が行われたことに始まります。

当時の排出量取引の仕組みは現在の温室効果ガスの削減方法と同じで、大気汚染の原因となる硫黄酸化物の排出枠を定めて行ったものですが、硫黄酸化物の排出量の削減に大きく貢献したと見られています。

企業や個人、もしくは国がバラバラで環境改善を計ろうとしても、足し算の成果しか挙げられません。地球全体で平等に実施できる、環境改善のシステムが今、必要とされています。

京都議定書では炭素クレジットを用いて取引することを認めています。炭素クレジットは排出量取引で通貨と同等の働きをします。排出量取引での炭素クレジットの使用法は、大きく以下の4種類に別れます。

  1    各国が持つ排出枠に対する削減量である初期割当量に使用します。
  2    各国が吸収源活動で得た吸収量に使用します。
  3    クリーン開発事業で得られた認証排出削減量に使用します。
  4    共同実施事業によって得られた排出削減ユニットに使用します。

要は何もない状態でも、成果に応じて炭素クレジットが受け取れることになります。炭素クレジットは売買だけで得るものではなく、自己の努力でいくらでも生み出せるわけです。

国内の企業などは活動や事業に応じて、炭素クレジットを持っていることになります。排出枠を下回っている国や企業は、排出枠を上回っている国や企業に、炭素クレジットを売却できるので利益も生まれます。

環境先進国が有利になる

経済が原因で環境問題が先に進まないのであれば、排出量取引という新たな産業を経済に組み込む必要があります。排出量取引が株式やFX、純金積立のような金融商品になれば、売買が盛んになり市場が確立します。

そうなれば、企業も環境への取り組みに積極的になりますし、世界中の人々の関心も集まるわけです。

しかしながら、排出量取引を導入する際に新しい技術やシステムを実用化する国は、大きな投資や労力が必要となります。特に新興国では開発優先で経済を発展していきたいために、重荷にしかならないでしょう。

一方、経済が豊かな地域で使われている技術を格安で利用できる先進国は、少ない相対的に投資資金で済みます。やはり、新興国と先進国では初期の段階で差が生まれることになります。

また、温室効果ガスを削減しやすい国にとって排出量取引は、炭素クレジットを売ることによって利益が発生するわけですから、大きなプラスとなります。

そのために温室効果ガスの削減目標値に不公平が生じないようにします。不公平さえなければ、温室効果ガスを削減しようと努力をするので、温暖化対策の効果は充分に期待できます。

温室効果ガスの削減努力を阻害する国や企業がないように、全ての国や企業に対して排出量取引量の上限値が定められることが必要になってきます。


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