中国と聞いて1番に思い浮かぶのは「中国の経済成長」かもしれません。上海の経済指標がどうこうよりも、日本の東京よりも発展していると目に見てわかるほどです。
北京は北京オリンピック開催のために大改造されてきました。中国の今の状況はまるで数十年前の日本を見ているかのようです。
ただ、経済成長などの都市の発展は素晴らしいものですが、その陰に隠れているものを見落としてはいけません。
急な経済成長が見られた日本の高度経済成長期は、その経済成長の裏で多くの公害に悩まされました。中国も今その問題を抱えています。日本の数十倍の国土を持つ中国ですから、その影響は中国国内に収まらず、地球全体にも影響を及ぼしかねません。
最近よくテレビなどで取り上げられる地球温暖化の問題、この地球温暖化の原因としていつも挙げられるのが二酸化炭素です。各国では二酸化炭素を抑える努力がされていますが、その波に逆らうかのように中国は二酸化炭素を大量排出し続けています。
中国の政府は「二酸化炭素の対策は充分している」と言っていますが、住めばより実感できるように、世界中が中国のような国であったら、人類は30年と持たないかもしれません。
これはゴミを集めて、路上で燃やしている写真です。もちろん、分別などは行っておらず、邪魔なら燃やそうという感覚です。
水質汚染、砂漠化、二酸化炭素、エコロジー、ゴミ問題、大気汚染、森林伐採などの世界中で問題になっている環境の知識は、身近なところから始まります。
その知識が中国の人には明らかに欠けていると、山西省に住んで実感しました。ダイオキシンについて現地の方に聞いてみても、「よくわからないが、邪魔なものは邪魔なんだよ」と付き返されてしまいます。
北京オリンピックに向け空気をきれいにするために「一定期間は工場を停止させ、その後は工場を再開してもいい」いう事例を考えると、中国政府が環境に真剣に取り組んでいるとはとても思えません。
表向きの顔と国内への顔は違うようです。これは国民性なのかもしれませんが、その場が良ければ良いという考え方が根底にあるような気がします。
また、何よりもメンツを重んじる中国は、海外に決して真実を言うことはないような気がします。言論の自由が本当の意味で許されていない共産主義の中国の特徴なのかもしれません。
しかし、こんな大国の二酸化炭素の大量放出は隠し通すことはできず、世界の多くの人がそれを知っています。
徐々に改善されていくことを願っています。国の一声で大量の工場を停止させるだけの力と権威を持っている中国政府ですから、その力を二酸化炭素や有害物質の制限に使ってほしいものです。