排出量取引とは?

地球は年間31億トンの二酸化炭素を吸収できますが、人間は72億トンを排出しています。その排出量を売買する仕組みが排出量取引です。

  

今、環境保護を全力で取り組まないと
自然資源が枯渇しながら、野生生物は滅びます

2050年には平均気温が2℃上昇

経済重視の政治で環境への関心が低いままでは、2050年までには地球の平均気温が「2℃上昇する」と予測されています。地球規模で環境保全と経済発展を両立できたとしても、今までの温室効果ガスの影響で2100年までには平均気温が2℃上昇します。

東京の真夏の気温30℃が32℃になっても、北海道の真冬の気温-5℃が-3℃になっても、影響がないと感じるかもしれません。

しかし、気温が2℃変わる地球温暖化は世界各国で致命的な危機を発生させることになります。予想される温暖化による影響の一部を「IPCC第4次評価報告書」を元に紹介していきます。

地域名 説明
アジア 沿岸部で水害が発生し、頻繁に海に陸地が飲まれます。特に東南アジアのデルタ地帯の河川では洪水が増加します。逆に淡水は枯れやすく、利用可能量が極端に減少します。洪水と干ばつで疫病が増加し、死亡率が上がります。
オセアニア 浸水と高潮が激しく、小島での移住は困難になります。内陸部では乾燥化による干ばつ、森林火災が発生し、農林業の生産が減少します。珊瑚礁と透明度の高さで有名なグレートバリアリーフや熱帯雨林にも似た森林では、動植物の絶滅と共に生物が多様化していきます。
ヨーロッパ 山岳地帯では2080年までに最大60%の生物が絶滅します。森林火災、熱波が大陸全体で発生し、沿岸部では洪水と侵食が同時に起こります。
アフリカ 現在でも水不足が深刻なアフリカでは、利用可能な水が今よりも20~50%と減少し、さらに作物収穫量が5~25%低下します。餓死者が増え、乾燥地帯も5~8%増えるために居住できる地域が減ります。
北米 今以上にサイクロンが多発し、洪水、森林火災、豪雨、急激な気温上昇と低下などの自然災害が起こりやすくなります。特に熱波の増加は健康被害を拡大させます。西部山岳地域では雪が積もらなくなり、水資源が枯渇し、生活に影響していきます。
南米 アマゾン東部の熱帯雨林はサバンナのような草原に変わります。これは気温が2℃上がることも関係しますが、人間による伐採が止まらない結果です。既にサバンナ化現象は確認されており、20年と待たずに消滅します。また、アンデス山脈の氷河が溶け出し、5,000万人以上が水不足になります。

排出量取引が必要な理由

世界全体で統計を取ると、10~40億人が水不足になり、10億人以上は洪水の被害者になります。珊瑚礁は80%が白化し、50%の生物が絶滅の危機に瀕します。

動物園で見ているゴリラ、パンダ、シロクマは地球上に存在しなくなります。オランウータン、ゾウ、カバなども非常に希少な動物であり、保護施設なしでは生きられません。

排出量取引が必要な理由暑い地域ではより暑さが増して水不足に、乾燥地域ではより乾きが増して砂漠化に、寒い地域でもより氷が溶け出して洪水になります。

グリーンランドの氷床が溶けることが確定されているので、最大7mの海面上昇が発生し、陸地は減少します。

「経済が安定していないので、二酸化炭素の排出量を制限できない」
「電気を使っていない住民がいる中で、エネルギーに税をかけられない」
「先進国の負の遺産である温暖化に、発展途上国が対応すべきではない」

世界各国が自国の経済を重んじるばかりに、コストが増加する環境には前向きではありません。

2008年時点では唯一、欧州連合だけが環境先進国となり、様々政策を実施し、成果を上げています。2010年になると、各国が環境ビジネスに本気で取り組むようになり、排出量取引では日本が期待されています。

しかし、アメリカ合衆国は世界一の二酸化炭素の排出量でありながら、経済の不安定を理由に積極的な環境改善を拒否し続けています。

中国はお話にならないくらい環境への関心が低いです。山に緑のペンキを塗り、北京オリンピックの期間だけ工場を停止、リサイクルはおろかゴミの分別さえできていません。

経済が成長し、人口が多い国でさえこの現状です。兎角、日本も目標を達成できず、これといった環境政策は打ち出していません。食品廃棄率が高いですし、何よりも消費に対してのリサイクルが完璧とは言えないです。

もはや、各国がバラバラに動いて、躊躇したり、敵対したりするレベルではないでしょう。世界中の国々が温室効果ガスを制限し、排出量の枠組みを定め、枠組みを超えた国は枠組みを超えていない国から排出量を売買できる「排出量取引」という仕組みを制定しなければいけません。